五台山は単独の山ではなく、景勝区内の拠点の町である台懐を取り囲む五つの峰の環だ。中国四大仏教聖地の一つであり、漢伝仏教とチベット仏教の寺院が同居する点が際立っている。130余りの寺院を擁するため、初めて訪れるなら旅程に形を与えたい。台懐の密集した寺院群と、峰々に充てる別の一日に分けるのがよい。
概要
拠点は台懐。重要な寺院のいくつかは互いに徒歩圏内にあり、ほかの寺院も少し移動すれば着く。五つの峰は町の外にあり、北台の葉斗峰は標高3,061メートルで山西省の最高点にあたる。夏は涼しく雨が多いことがあり、冬は早くから雪と氷が現れ、尾根の天候は急変しやすい。出発前に予報と道路状況を確認したい。
多くの堂宇は夕方遅くに閉まる。寺院の見学は午前に組み、開場の状況はビジターセンターか各寺院で確認する。以下の計画は1日目の正午到着を想定し、道路の遅れにも余裕を残している。
1日目:太原から中心部の寺院へ
多くの旅行者は太原を経由して五台山へ向かい、道路での移動には数時間かかる。台懐で昼食をとったら、中心部の寺院群から始める。菩薩頂、顕通寺、殊像寺の順だ。この順なら歩く距離を無理なく抑えられ、五台山の仏教史の異なる流れをたどれる。
菩薩頂
菩薩頂は霊鷲峰の上にあり、伝統的に文殊菩薩と結びつけられてきた。北魏時代に創建され、何度も再建されたのち、高位のラマの住居となり、五台山を代表する黄教寺院となった。清の康熙帝と乾隆帝がここに滞在し、中庭には漢文、モンゴル文、満洲文、チベット文の石碑が残る。瑠璃瓦の屋根が伽藍に彩りを添え、奥の中庭にある大きな青銅の釜は大法会の際の調理に使われた。
顕通寺
顕通寺は五台山で最大かつ最古の漢伝仏教寺院だ。堂内には五つの峰で信仰される文殊菩薩の諸相が安置され、ここを訪れることが峰を登らずに巡る方法とも言われるゆえんだ。時間が短いなら、巡礼全体を形づくる五峰の象徴を最も手早く知る入口となる。
殊像寺
殊像寺は元時代に創建され、台懐周辺の主要な瞑想の場の一群に属する。文殊殿には知恵の菩薩である文殊菩薩の大きな像が安置され、壁には羅漢の姿が描かれている。外には巡礼者がとりわけ尊ぶボーレン泉(Boren Spring)がある。しばしば賑わうが、中庭と庭園のような配置は、より大きな顕通寺と対照的な静けさを与えてくれる。
2日目:五つの峰を巡る
五つの台にはそれぞれ寺院があり、固有の文殊菩薩の姿が祀られている。巡礼者は一日で五つすべてを訪れることを目指し、この巡礼は大朝台と呼ばれる。順序は交通と天候によって変わりうる。伝統的な対応は次のとおりだ。
- 南台・錦繍峰:普済寺、智慧文殊。
- 西台・掛月峰:法雷寺、獅子吼文殊。
- 中台・翠岩峰:演教寺、孺童文殊。
- 東台・望海峰:望海寺、聰明文殊。
- 北台・葉斗峰:霊応寺、無垢文殊。
経験のあるハイカーは徒歩で巡ることもできるが、距離も標高も相当なものだ。ほとんどの訪問者は公式の峰シャトルを利用する。高地の道路で認められた唯一の自動車交通であり、自家用車や一般のツアー車両は制限されている。雪、氷、低い雲はルートを閉鎖することがあるため、出発地点と運行状況は現地で確認したい。
3日目:五爺廟、黛螺頂、帰路
朝早くに、台懐で最も参拝者の多い五爺廟を訪れる。万仏閣とも呼ばれる小さな伽藍は竜王に捧げられ、堂宇、芝居舞台、中庭を備える。地元の象徴的な見立てでは、菩薩頂が竜の頭、塔院寺が胴体、五爺廟が尾にあたる。旧暦の1日と15日には巡礼者が大勢集まり、最も混雑する。
朝食ののち、大智路の1,080段の石段を登って黛螺頂へ向かう。運行していればケーブルウェイも利用できる。石段は急で、所々はむき出しになっているため、時間に余裕を取り、水を携行する。山頂の寺院は明時代に創建され、乾隆年間の碑文が残る。堂内には五つの峰の文殊菩薩の諸相が集められており、この登拝は小朝台と呼ばれている。
台懐に戻って昼食をとり、それから太原への道路の旅を始める。その後の飛行機や列車には余裕を大きく取っておきたい。山の交通と天候が予定に影響しうる。
実用メモ
台懐は宿泊と食事の選択肢が最も豊富で、ここに滞在すれば拠点を移す必要がない。夏でも重ね着をし、峰では雨具を携える。寺院での作法は難しくない。声を低くし、控えめな服装を心がけ、撮影に関する表示に従い、僧侶や儀式を撮る前には確認する。峰へは公式の交通を利用し、固定した計画にこだわらずその日の条件を確認する。シャトル、ケーブルウェイの運行、寺院の拝観、天候は、旅行直前に公式情報で確認するのがよい。
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